「体験型防災プログラム」〜子ども自身が災害時に自分の命を守るために〜 | 家族を守る防災特集<高知>

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2024.03.31

「体験型防災プログラム」〜子ども自身が災害時に自分の命を守るために〜

災害時に子どもたちの命を守る取り組みのひとつとして、体験型防災プログラムのワークショップを開催されている「子育てママのつながるBOSAI」代表の川﨑あきさんにお話を伺いました。




 
Q.子どものいのちを守る「体験型防災プログラム」とは?

子どもが一人の時に災害が起こったらどうしたらいいのか、を想定し、体験を通して、子どもたち自身に対応方法を身につけてもらう取り組みです。

子どもたちが楽しく遊び感覚で取り組めて、知らず知らずのうちに知識が身についているプログラムになっています。
具体的には、自分で自分の命を守る方法として、「最低限の地震の知識」「煙からの逃げ方」「自分に火がついた時の消し方」などを伝えています。

活動をはじめて5年。現在は京都府木津川市が中心ですが、全国に広めていきたいと考えています。


 
Q.活動のきっかけは?

私自身はもともと防災にまったく興味がなくて、いつ死んでもいいや、くらいに思っていたのですが、やっぱり子どもが産まれて自分より大切なものができた時、明日死んでもよくなくなりました。

さらにきっかけとなったのは、2018年の大阪府北部地震です。
地震が起こったのが、ちょうど子どもたちの登校時間(地震発生7時58分39秒)だったんです。

災害が起こるときに、親が一緒にいるとは限らない。先生や大人が近くにいるとも限らないんだ、と本当に実感しました。

だからこそ、子ども自身に命を守る方法を伝えないといけない、と思ったのですが、防災について何から伝えたらいいのか全くわからなかったんです。

阪神淡路大震災も体験したのに、防災について何も知らなくて、初めて怖くなりました。
3人目の子どもも生まれて、2人なら片手に1人ずつ抱えられるけど、両手では足りないな、どうしよう。
子どもに伝えたいけど、何を伝えたらいいのかわからない。
私自身がそうだったので、そういうお母さんは多いんじゃないでしょうか。

そんなに難しいことではなく、子どもたちが楽しく、遊び感覚で防災の知識が身についたらいいな、と思って今の活動を始めました。


 
Q.「体験型防災プログラム」の内容を少しだけ教えてください。

プログラムの中で「自分についた火の消し方」を伝える時、自分には関係ないと思われることが多いんですが、例えば、BBQで火が飛んできたり、花火大会で花火の火が飛んできたりすることは実際に起きていて、意外と近くであることなんです。



いざそんなことが起こると、消し方を知らない人は走り回ったり、やってはいけないことをやってしまうんですね。
走り回るのは実は、一番やってはいけないこと。

火は3つのものが必要で、
「燃えるもの」
「燃やすもの」
「酸素(空気)」
火を消すなら、このうち1つを取り除けばいいので、では「空気」を消しましょう、となります。
火がつくと怖いけど、まずは止まる。これが大事です。

小学校3年生レベルの理科で習う内容なので、子たちでもちゃんと理解できるんですよ。



 
Q. 何歳くらいの子どもが参加できますか?

プログラムには、保育園児や小学生の子どもたちが参加しています。

保育園の年長さんも、小学生になるとひとりでお留守番することになるので、早めに伝えるようにしています。

私の子どもが通う保育園では毎年、年長組がプログラムに参加していて、その後、同じ子たちが小学校3年生になった時にもう一度プログラムに参加してもらうのですが、2回目でも案外忘れていることのほうが多いので、繰り返し体験してもらうことも大切ですね。


いざ何か起こった時に、やったことのないことはできません。
プログラムの中でたくさんやってみたことの中からたった1つでも子どもたちに覚えてもらって、命を守る方法が身についているといいな、と思います。



 
Q. 最後に、ママたちへメッセージをお願いします。

何かが起こった時、いろんなことを判断するのはやっぱりお母さん。
いざという時に少しでも困らないように備えておくことが大事です。

そして、一番大切なことは、子どもの命ももちろん大事だけど、大切な命を本当に守りたいと思ったら、自分のことも守ってください。
お母さんはつい自分のことは後回しにしていまいますが、子どもたちを守るためには自分の命がまず第一です。





川﨑あきさんプロフィール
「子育てママのつながるBOSAI」代表
京都府木津川市在住
中学生〜保育園児まで4人の子どもがいる6人家族
防災士
京都府危機管理アドバイザー
防災に全く興味がなかった所から防災講師へ。
自分で自分のいのちを守れる子どもを全国に増やすことを目指して「体験型防災プログラム」の全国普及に取り組んでいる。
「小さな子どもに分かる言葉で伝えること」「体験型で楽しみながら学べること」を大切にしている。
目標は、日本で暮らす子どもが当たり前に最低限の地震の知識と自分のいのちの守り方を知っていること。


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