あつこママさん 047 [私の出産] | 第2回ぐるっとママ懸賞作文

「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

第2回ぐるっとママ懸賞作文

あつこママさん 047 [私の出産]

口にだしては言えないけど
娘へ 母はあなたに会えて本当に良かった。あなたがいるから母も頑張って生きていけます。

 

あなたを出産した時は3日も陣痛が続いて難産だった。耐え難い痛みに襲われたけど、無事に生まれてきてくれた事、すごく嬉しかったよ!
身長52cm 体重3050gの大きな赤ちゃん。「大きな赤ちゃんだから病気しないよね」と周りの人に言われてけど、生後9か月になった頃、熱傷様皮膚炎という病気になってしまった。その病気は全身の皮膚がジュクジュクして剥がれていく病気。痛くて泣いて夜も眠れない日々が続いたね。苦しかったね。入院を余儀なくされ全身包帯のあなたを見た時は涙が止まらなかった。毎日の包帯交換も泣きながらママに手を伸ばして助けを求めていたね。怖かったよね…
医師からは、「悪い菌が感染していれば、残念ですけど命の保証も出来ません」と告げられ母はもう、どうしていいか分からず弱気になりそうになったけど母がしっかり強くならなければと必死に傍でお世話した日々。菌に感染しないように母以外は中庭の外からトランシーバーでの面会だった。幸い悪い菌にも感染せず無事、退院出来たけど、今度は、その頃から重い喘息にかかりゼイゼイと苦しくて小さな肩で呼吸して何度も何度も病院に駆け込んだね。本当に辛かったね。

そんなあなたも今は22歳になった。
母は7年前からシングルマザーになり、必死に仕事に明け暮れ子育て一色だったが4年前に希少癌を患い手術してその頃から難病にも侵された。筋肉に力が入らない病気。仕事中も途中、一時的に横にならないと続けられなくなった。しばらく仕事は休んで今は身体を休めている。
あなたは今、外で男の人がつくような仕事をしている。毎日、猛暑で大変なのに、殆ど弱音も吐かずしっかりと一家の大黒柱になってくれている。「私が頑張るからママは家に居て」と言ってくれる。
母は現在も年に2回程入院しその他も定期的に受診し、日々内服コントロールし難病が悪くならないように過ごしている。時々、落ち込んで前に進めない事もあるけど、あなたがいるから、楽しいから生きていけている。あなたといると本当に楽しいんだから。お腹が痛い位、笑わせてくれるんだもの。子育てって大変だったけどきちんと『幸せ』という形で見返りも返ってくるんだね。

たまに遠方へ旅行やドライブをする時、後部座席から頼もしくなった背中を見るといつも思う。「優しくて立派な大人に成長してくれて本当に本当にありがとうね。ママも病気に負けないように頑張るからこれからもよろしくね」と


 
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