池田れなさん 043 [私の出産] | 第2回ぐるっとママ懸賞作文

「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

第2回ぐるっとママ懸賞作文

池田れなさん 043 [私の出産]

愛し子へ
あなたは人を幸せにするパワーを持つ子
 

ドキドキして、自分の気持ちを大きな声で伝えるのが苦手なあなたへ。安心してね。お母さんは、あなたが頑張り屋さんで、生きる力のとても強い子だと知っています。

40歳のお母さんのお誕生日あたりに、お腹に来てくれたあなた。自分の赤ちゃんを抱っこする日は来ないのかなと、少し寂しく思っていたお父さんとお母さんが、どれほど温かくふわふわした気持ちになったか、想像できるでしょうか。体の中に、世界で一番大切な宝物が入っている時間は、とても幸せで、特別な日々でした。

あなたがお腹の中にいた時、お母さんは何度も出血して入院しました。嫌な考えに取り憑かれて、真っ青な顔で病院へ向かっている間、お母さんは自分の意見も気持ちもグチャグチャで、ただただ、あなたに会えなくなるかもしれないという最悪な考えを頭から追い出そうと必死でした。
泣きそうでした。
叫びだしそうでした。
でも、そんな事はせずに、お腹を撫でながら黙って、うつむいて、目的地の病院へ向かっていました。
お母さんは、言葉にできない気持ちがあることを知っています。

お腹の中の赤ちゃんだったあなたは、ぎゅっとお腹にしがみついて、血の波に流されずに頑張ってくれましたね。
本当にありがとう。
何度も、そんな危機に合わせてごめんなさい。そして、何度も乗り越えてくれてありがとう。
だから、お母さんは、あなたがとても強い子だって知っているの。お腹の中にいる時から頑張り屋さんのあなたを、尊敬しています。

お腹の中にいた時に、キックゲームをして一緒に遊びましたね。お母さんがお腹をポンと叩くと、同じ場所を中から蹴ってくれました。2回、ポンポンと叩くと、あなたも2回返してくれましたね。今では脚が速く、強いキック力を持つ子になりました。それに、リズム感もいいよね。コンサートの舞台で、歌ってダンスをする姿は、かっこよくて、見ていてワクワクしました。

頭の中では壮大なことを考えていて、大人が思いも寄らないアイディア満載のあなたは、時々、さみしがり屋の甘えん坊になりますね。もしかして、小さく生まれて、1ヶ月もNICUのお世話になったことと関係しているのかしら。小さな赤ちゃん達のなかでも、特別に甘えん坊だと言われていたあなた。新生児と呼ばれる期間をまるまるNICUで頑張ってきた分、今、甘えているのかなと考えています。
いいよ、たくさんギュウしよう。
あなたが顔をクシャッとして笑うのは、安心している時だって、お母さんは知っているの。

生まれる前から、お母さんを幸せにしたあなた。生まれただけで、あなたがどれだけの人を幸せにしたのか、一緒に数えましたね。幼稚園の時よりも増えて、8歳の今では、なんと365人になっていました。1年間と同じ数字だって笑っているあなたを見て、お母さんは嬉しくなりました。
だって、お母さんは、これからその数字がもっともっと増えていくことを、知っているの。

どうか、覚えていてください。
これから先、進む人生で、困難に立ち向かう時には、生まれる前からお母さんに勇気を与え続けてきたことを。
あなたが生まれ、出会った人たちにとって、かけがえのない存在であることを。
お母さんを始め、たくさんの人を幸せにする自分を、いつも信じていてくださいね。

 


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